ルソーの性癖のはなし

ルソーといえば、『社会契約論』の著者、18世紀最大の思想家(の一人)、むすんでひらいての作曲者、など名前を聞いたことのある方も多いでしょう。そんなルソーですが、他にその性癖でも有名ですね。

 

 

10~12歳のころ 寄宿先の牧師の妹から受けた尻打ちの体罰に、目覚める

 

16歳 徒弟奉公時代、遊びに行った夜に、町の城門の締まる時間に間にあわず、   

   翌朝親方の家に戻らないまま出奔。この支配からの卒業。

   この後、職を転々としている間に、自慰を覚える。

 

16歳 仕事先でリボンを盗み、その罪を好意を抱いていた少女になすりつける

17歳 上の事件で解雇され、鬱屈した欲望を抱き、街中で露出狂になる

  

20歳 ヴァランス夫人(13歳年上)の愛人になる

   ※ルソーがヴァランス夫人に初めて出会ったのは15歳のとき。

     お互い「坊や」「ママン」と呼び合う仲。

26歳 旅から戻ると、夫人には新しい愛人ができており、冷たく迎えられる

 

34歳 パリで、テレーズ・ルヴァスール(後の妻)と出会う。

   5人の子供をもうけるが、全員孤児院へ送る。

 

42歳 パリからジュネーヴに戻り、ヴァランス夫人と再会するが、

   零落した夫人を助けることができず、激しく後悔する。

 

45歳 小説『ジュリー』の執筆中、ドゥードト夫人(当時26歳)に出会う。

   夫人と女主人公を重ね、”全生涯で最初にして唯一の恋”をする。

 

 

この後も、激しい被害妄想を患ったりいろいろあるルソーですが、以上の話の大部分を自伝の『告白』で暴露している辺りも、性癖なんではなかろうかと勘繰ってしまう次第です。

 

※参考図書は、永見文雄さんの『ジャン=ジャック・ルソー―自己充足の哲学』(2012年、勁草書房)など